令和4年度 産学共同研究成果発表会 〜地域の課題を解決する〜
静岡市産学交流センターでは、地域や産業が抱える身近な課題を解決するため、中小企業者と大学等が共同で取り組む「地域課題に係る産学共同研究」を公募し、採択されたテーマについて研究を実施して参りました。これらの研究内容を多くの方々に知っていただくこと、その成果をご活用していただくことを目的に、産学共同研究成果発表会と成果品の展示会を開催いたします。
今回は、会場参加とオンデマンド配信の両形式で、多くの皆様方のご要望に対応させていただきます。
内容
成果発表の部 13:00〜16:35
1. 低濃度一酸化窒素による感染症予防に関する実用化研究
13:05〜13:25
[事業推進者]
株式会社アステクノス/東京大学大学院理学系研究科 特任研究員 宮原秀一/株式会社プラズマコンセプト東京

感染性疾患の予防法として、微量の一酸化窒素(以下、NO)の吸入が有効と言われています。本研究では、低濃度NOの一般生活空間内における吸引の安全性および有効性と低濃度NOの生成方法(大気圧プラズマ法)、さらに空間濃度の時間変化に関する研究を行い、その事業化可能性について検討しました。
2. 梅ヶ島食べる発酵茶の開発
13:25〜13:45
[事業推進者]
隠れ茶を守る会/東京農業大学生命科学部 教授 内野昌孝/アイウエシカル、お茶と暮らしの研究所、SUI/TEN

乳酸菌発酵によって、「食べる発酵茶」の小規模生産を行いました。発酵茶の成分や芳香性成分の分析を行い、その特性を明らかにしました。さらに付加価値を高めるために、乳酸菌と酵母菌を組み合わせる発酵茶の研究開発も行いました。
3. 静岡お土産缶詰の自販機販売ビジネスモデルの確立と新製品の開発
13:45〜14:05
[事業推進者]
清水河岸の市協同組合/静岡産業大学経営学部 教授 熊王康宏/一般社団法人静岡缶詰協会、富士電機株式会社食品流通事業本部

静岡お土産缶詰の自販機販売を試行し、販売データの分析等でビジネスモデルの構築に努めました。さらに『わくわく』感のある新しい土産缶詰の開発を目指し、『缶詰王国静岡』の知名度向上に貢献してきました。
4. 静岡/清水テロワール(日本酒)の付加価値創出事業〜オクシズからシズマエまで〜
14:05〜14:25
[事業推進者]
三和酒造株式会社/東海大学海洋学部 教授 後藤慶一/リカーショップおきつ

清水区両河内にて生産された幻の酒米「亀の尾」を使い、興津川伏流水を活用して日本酒を醸造しています。本研究では、それを清水港内の海底に約4か月貯蔵した後、熟成度を評価しました。これより、オクシズ(清水区両河内地区)からシズマエ(清水港)までのテロワール(地域性)を考慮した日本酒としてブランド力向上に努めます。
5. 茶園における温室効果ガスの吸収及び削減量のJ-クレジット化事業
14:40〜15:00
[事業推進者]
Blue Farm株式会社/静岡大学農学部 准教授 南雲俊之

茶園の温室効果ガス削減に向けて、新規開園による二酸化炭素(CO
2) 吸収量、有機栽培による一酸化二窒素(N
2O) 削減量、改植時に廃棄される茶の樹体からのバイオ炭製造による削減量の算定方法論を確立しました。これより、茶園をベースにしたJ-クレジット認証を進めています。
6. 日本最大級の在来大豆を活かした和菓子の開発
15:00〜15:20
[事業推進者]
農事組合法人みらい/静岡県立農林環境専門職大学生産環境経営学部 准教授 丹羽康夫/かもかし

清水区両河内には、国内最大級の黄大豆である可能性の高い在来大豆があります。その品種について、遺伝子解析により特徴を明らかにしました。上品な味わいを活かして新たな和菓子を試作しました。これより、両河内地区の地域活性化策に繋げる計画です。
7. バイオリファイナリーを活用した食品廃棄物再資源化のための可溶化技術の開発
15:20〜15:40
[事業推進者]
山梨罐詰株式会社/静岡県立大学食品栄養科学部 准教授 原清敬/静岡県工業技術研究所

バイオリファイナリーを活用した食品廃棄物等の再資源化のためには、廃棄物の可溶化技術が重要です。ここでは、ウイスキー工場から発生する麦芽搾り粕と食品工場から発生する余剰汚泥を対象とし、オゾン処理や酵素処理などの、新規で高効率な可溶化技術を研究しました。
8. 実用化に向けた人工海藻シーラントによる藻場造成手法の開発
15:55〜16:15
[事業推進者]
株式会社東海アクアノーツ/東海大学海洋学部 教授 石川智士・砂原俊之/由比港漁業協同組合、静岡市海洋産業クラスター協議会

基礎コースでは、人工海藻シーラントが高波浪海域でも簡単に設置可能で、海藻付着、集魚効果、アオリイカの産卵可能性も期待できることがわかりました。本年度は、シーラントの配置方法や長さ・形状の改良等の技術開発を行い、人工藻場の実用化を目指したビジネスモデルを確立しました。
9. マイクロ波抽出香りエキスと濃縮だしを使ったレトルト新商品(カレー)の開発と販路開拓
16:15〜16:35
[事業推進者]
有限会社西尾商店/マルミヤ食品株式会社、ワールド株式会社、有限会社スタジオ・オカムラ

基礎・応用コースでは、マイクロ波減圧蒸留乾燥装置を用いて鰹節から香りエキスと濃縮だしエキスを開発しました。これらは、食品素材の旨味を引き立てる効果があります。本発展コースでは、これらのエキスを使ったレトルト食品(カレー)及びカレーパンの新商品を開発し、販路拡大を行っています。
展示の部 13:00〜17:15
産学共同研究から生まれた成果品の展示(随時見学可)
日程
令和5年3月17日(金) 13:00〜17:15
会場
静岡市産学交流センター6階プレゼンテーションルーム
(静岡市葵区御幸町3-21 ペガサート6階)
※発表・展示風景の写真集の動画はこちらをご覧ください。