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地域課題に係る産学共同研究委託事業

平成30年度 研究成果

自然薯むかごを利用した高級健康和菓子(羊羹)の開発

[委託先団体] 有限会社丁子屋
[連携大学] 静岡県立大学食品栄養科学部 准教授 三好規之
[連携団体] なかじま自然薯農園、有限会社望月茶飴本舗

目的

静岡が誇る有用素材(自然薯むかご)を生かし、丁子屋ブランドの高級羊羹の開発を行いました。ジオスゲニンなどの生活習慣病予防に寄与する天然物(資源)を含むむかごの価値を高め、高生産・安定供給法を検証確立することを目的としました。

[写真1:ジオスゲニンを多く含む自然薯むかご]
[写真1:ジオスゲニンを多く含む
自然薯むかご]
成果

(1)むかご羊羹の開発

白小豆とむかごを抱き合わせた高級感のある羊羹を開発しました。むかごは粒のまま使用すると硬くなるため、予め茹でてすり潰し練り込むことで課題を解決しました。

[写真2:羊羹(むかごを粒のまま入れると硬くなる)]
[写真2:羊羹(むかごを粒のまま入れると
硬くなる)]
[写真3:羊羹(むかごを茹でてすり潰し練り込む)]
[写真3:羊羹(むかごを茹でてすり潰し
練り込む)]

(2)自然薯むかご羊羹とジオスゲニン量

自然薯むかご羊羹(試作品)に含まれる有効成分ジオスゲニンの定量分析を試みたところ、自然薯むかご羊羹(280g/1本)あたり0.5µgのジオスゲニンが確認されました。

(3)自然薯むかごの安定生産に向けた取り組み

スプリンクラーの散水による収量の大きな変化は見られませんでしたが、農家において自然薯むかごの収穫後の選別作業の負担が大きいことから、機械を用いた分離作業についても検証しました。その結果、@むかごと小石などむかご以外の異物との分離作業、A大きさの選別作業においても、負担軽減などの効率化につながりました。

[写真4:スプリンクラーを設置している畑の様子
[写真4:スプリンクラーを設置している
畑の様子]
[表1:各区画の10a当たりのむかごの収穫量(kg)]
[表1:各区画の10a当たりのむかごの収穫量(kg)]
まとめ

むかごの配合割合や加工方法に工夫を重ね、販売に耐えるむかご羊羹を開発しました。自然薯むかご羊羹(280g/1本)あたり0.5µg程度のジオスゲニンが含有されることを確認しました。

むかご生産地にてスプリンクラー(散水)による湿度調節がむかごの生産性に与える影響を検討し実験的データを取得しました。

今後はむかごの高生産・安定供給法の開発について展開する予定です。

[写真5:開発したむかご羊羹]
[写真5:開発したむかご羊羹]

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