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地域課題に係る産学共同研究委託事業

令和7年度 採択事業

審査の結果、令和7年度は以下の8事業(基礎コース5件、応用コース3件)を採択しました。

基礎コース
主として「調査研究や技術・サービスの向上」に係る課題で、新たな提案と具体策が見込め、将来性が期待できるもの。

静岡・三保半島の観光地引網活性化事業 -伝統文化と海洋科学の融合-

[委託先団体] 株式会社エピネス
[連携大学] 東海大学海洋学部 特任准教授 藤岡 紘
[連携団体] 三保地引網保存会、庄兵衛丸

 概要 

三保半島沿岸で実施されている観光地引網を科学的視点から支援し、地域活性化と持続可能な観光資源の創出を目指します。東海大学と連携して海洋環境の観測(水温・塩分・溶存酸素など)や魚種・サイズ組成のデータを収集・分析します。得られた科学的知見を地引網保存会と共有し、体験価値の向上とSNS発信力の強化を図ります。
 

たたみいわし及びアカモクを用いた、筋萎縮抑制作用を有する新商品の開発

[委託先団体] 有限会社カネナカ商店
[連携大学] 東海大学海洋学部 准教授 清水宗茂
[連携団体] 清水漁協用宗支所青壮年部、清水漁協用宗支所

 概要 

タンパク質やカルシウムを多く含む「たたみいわし」と、食物繊維やポリフェノールを含む「アカモク」をあわせて摂取することで、筋萎縮抑制に対して相乗効果が認められるか、モデル動物を用いて検証します。本研究成果をもとに、人だけでなくペットも対象とした、静岡発の独自性ある商品コンセプトの策定につなげます。
 

家具用天然系接着剤の曲げ接着性能評価とセルロースナノファイバーの添加による高性能化検討

[委託先団体] 合同会社すまうと
[連携大学] 静岡県立農林環境専門職大学生産環境経営学部 准教授 藤代 薫

 概要 

静岡市のオーガニックビレッジ宣言と弊社の天然素材方針は一致しており、健康に配慮した家具製造を追求しております。天然系接着剤にセルロースナノファイバーを加え強度・物性改善することで、耐久性やデザイン性の向上を目指します。これにより、健康志向の消費者ニーズに応え、地場産業への貢献を図ります。

清水港内で海中作業を行う水中作業ロボットの作業精度を上げるためのオルソ画像処理システムの開発

[委託先団体] 大日工業株式会社
[連携大学] 龍谷大学先端理工学部 教授 坂上憲光
[連携団体]
合同会社SDCC、伊藤商事株式会社、株式会社アイ・ピー・オー、静岡商工会議所 新産業開発振興機構

 概要 

清水港内の船舶や施設に付着する海洋生物などを除去するケレン作業は、現在潜水士が行っています。今後は潜水士に代わり水中作業ロボットで実施することを目指しており、その操作には水中の状況を映した画像を鮮明にする必要があります。本研究では、そのためのオルソ処理の仕組みと水中カメラ撮影システムを研究開発します。
 

登呂遺跡の古代稲作で栽培した赤米による清酒製造と野生酵母清酒開発による日本酒ブランディングの基礎構築

[委託先団体] 萩錦酒造株式会社
[連携大学] 静岡大学人文学部 教授 横濱竜也
[連携団体] 静岡市登呂博物館

 概要 

登呂遺跡内の田圃にて、静岡大学の指導・協力のもと、地域住民などのボランティアも参加して行う「古代稲作」により赤米を栽培し、これを用いて清酒を製造します。また、稲作や試飲会、和食展巡回展などのイベントを通じて周知を図り、地域課題に対する住民の意識変化を促します。さらに登呂遺跡の植物から採取した野生酵母による清酒製造に向けた準備も進めます。
 

製茶時の廃棄茶葉を原料としたサウナ用アロマ製品の開発

[委託先団体] 株式会社リバティー
[連携大学] 静岡県立大学食品栄養科学部 准教授 伊藤圭祐
[連携団体] 株式会社市川園

 概要 

サウナ市場は健康志向の高まりによって拡大を続けていますが、他施設との差別化には地域の特色あるサービスが必要です。一方、製茶工場では廃棄茶葉の有効活用に課題を抱えています。そこで本事業では、廃棄茶葉を活用したサウナ用アロマ製品の開発を行い、環境への配慮と地域観光ブランドに根ざした温浴施設チェーンの構築を目指します。

応用コース
主として「ものづくり系」に関する課題で、基礎的な研究が既にできているもの。事業終了時に必ず試作品ができ、数年内に実用化(商品化)が見込めるもの。

人工飼料による養蚕技術を核とした機能性魚飼料の開発と循環型食料生産への展開

[委託先団体] 株式会社鈴生
[連携大学] 静岡県立大学食品栄養学部 助教 大原裕也、東海大学海洋学部 教授 秋山信彦

 概要 

産業用昆虫であるカイコは絹糸の原材料として活用されてきましたが、食品や飼料としての可能性は十分に開拓されていません。本研究では、規格外の野菜を配合した自社製の飼料で生産したカイコを活用し、養殖魚向けの機能性飼料を開発します。この研究を基盤として、地域資源を活かした循環型の食料生産モデルの創出を目指します。
 

1分で飲めるスマートドリンク「ティーバッグ型ティーモクテル」の開発

[委託先団体] 株式会社dozo
[連携大学] 静岡県立大学薬学部 教授 近藤 啓
[連携団体] 合同会社DigSence

 概要 

静岡県を含む国内茶業界は厳しい状況にある一方、ティーアルコール市場やノンアルコールドリンク市場に可能性が見込まれています。この状況を打破するため、1分で飲めるティーバッグ型スマートドリンクの開発を目的に、大学との協力で、造粒技術やAI活用により、新たなお茶の価値提供を目指します。

 
上記の事業については、来年の2月28日まで研究・開発が実施され、3月中旬頃開催予定の成果発表会で研究成果の詳細を公表、また成果物の展示も行う予定です。

問合せ先

静岡市産学交流センター 担当:櫻川、菊池、菅沼
〒420-0857 静岡市葵区御幸町3-21 ペガサート6階
TEL:054-275-1655 FAX:054-275-1656