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地域課題に係る産学共同研究委託事業
基礎コース
廃食用油のバイオ燃料化とエネルギーの地産地消モデルに関する研究
[委託先団体] 株式会社シンビ
[連携大学] 静岡大学未来社会デザイン機構 教授 丹沢哲郎
[連携団体] 静岡油化工業株式会社
目的
本研究では、自らの事業所から生じた廃食用油を、精製し、自ら再利用する地産地消モデルに関する実証研究を行いました。これより、技術面・消費面・コスト面で無理のないプランの提案が可能となります。
化石燃料使用の削減、CO2排出の低減、さらにはバイオ燃料で発電機を稼働して災害時にも役立つようなことも期待できます(図1)。

[図1:使用済み天ぷら油(廃食用油)から発電機を運転させる電気をつくる技術]
成果
①精製はキャンパス内で行うのではなく廃食油の精製設備を持つ業者へ供給し、精製油を購入することが、安全性、クオリティーの保持ができ、県内では、例えば、赤阪鐵工所等に依頼することで地産地消となり、需給バランスについても対応ができます。
②ボイラーによる熱源燃料にBDF(Bio Diesel Fuel[バイオ燃料])を使用する場合、の精製精度をおとし低コストで使えることも有効性があります。
③発電機による電源を使用しバッテリー充電、EV車両への充電電力に使用することが、BDFのデメリットを緩和でき、有事発生時のインフラ電源として期待できます。
④地産地消のエネルギーの循環継続には需要供給のバランス、原料である廃食油の回収が不可欠であり、行政、企業、市民の連携が重要と考えます。運営に関し、それぞれの役割分担が公平に継続できることが重要と考えます。

[図2:BDFプロジェクトの構成]

[図3:BDF利用の循環の輪]
静岡大学未来社会デザイン機構地域連携活動の一環として、松崎高校での探求学習のテーマとして取り組みました。「エネルギーの地産地消を考える」を具体的テーマとし、生徒を相手にBDFの精製実験を行いました。地域内エネルギー循環として、耕作放棄地での菜種の栽培、搾油、地域飲食店での利用、廃油の精製によりエネルギーとして使うことなど、生徒達と将来像の勉強会を行い、意識啓発に役立てました。
BDFの原料である植物油の原料から地産地消とするならば、肥大する耕作放棄地での耕作推進することで本当の意味で産油地域となりうると考えます。
静岡県耕作放棄地12,843ha(2015年)1%活用×菜種収穫量1,800kg/ha
128.4ha×1,800kg=231t
搾油量30%:231t×0.3=69.3t・・・菜種油採取
バイオディーゼル精製量80%:69.3t×0.8=55.44t≒55.440ℓ
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