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地域課題に係る産学共同研究委託事業

令和6年度 研究成果 栗田靜電株式会社

応用コース

AIの利用によるスキルに基づく従業員配置自動化の研究

[委託先団体] 栗田靜電株式会社
[連携大学] 静岡理工科大学総合技術研究所 客員教授 工藤 司

目的

■目的①  

従業員配置計画作成の操作・設定を単純化し、誰でも容易に運用できる構成を構築します。目標として、システム管理者に加えて現場の監督者4人全員が操作可能なシステムを実現いたします。 

 

■目的②  

AIの転移学習を活用し、より均一な精度で認識できるよう改善を図ります。また、ジェスチャ認識結果の活用として、未経験者と熟練者の手の動きを比較・分析し、AI技術を活用した教育指標の策定と分析を行います。 

 

成果

目的①については、システム構成を単純化し、波及しやすくすることで、現在配置業務に携わる管理者4人全員が操作可能となりました。昨年導入したシステムよりも作業時間が35%短縮され、研究開始当初と比較すると、7%の工賃で業務が完了しております。

[図1:昨年作成したシステムV1] 

[図2:今年作成したシステムV3] 

また、目的②については、AIの転移学習により「手袋をはめたパターン」で27.7%から94.4%に、「指出し手袋をはめたパターン」で5.0%から92.5%に改善しました。手の動きの総距離を数値化し、ベテランと未経験者の手の動きを比較しました。

[写真1:熟練者の手の軌跡] 

[写真2:初心者の手の軌跡

昨年度の課題であった開発したシステムを、社内で引き継ぎ可能なレベルまで慣熟させる事案については、一定の成果を上げることができました。今後の課題は、システムの操作性をさらに向上させ、シンプルな形へ進化させ、全従業員の端末へ展開できるレベルのシステムにすることである。栗田靜電はこれからも、お客様への品質向上を最優先に考え、IoT・DX化を推進する中で現場業務の改善に努めてまいります。

■まとめ

近年、勤務時間の多様化が進む中で、製造業のみならず、医療や船舶業界などさまざまな分野で必要なスキルを持つ人材を、いつどこに配置するかを効率的に計画するニーズが一層高まると予測されます。このようなシステムが幅広く活用されるようになれば、同様の課題を抱える企業における現場の生産性向上に寄与するでしょう。結果として、あらゆる業界における「人手不足の解消」と「業務の効率化」に貢献するものと考えております。