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地域課題に係る産学共同研究委託事業
今年度の産学共同研究委託事業は、静岡市が重点的に成長を促す、
1. 製造業 2. 海洋産業 3. 食品・ウエルネス産業
4. 模型産業 5. クリエイティブ産業 6. 物流産業
7.グリーン産業 8.観光産業
について公募を行い、厳正なる審査の結果、以下の8件のテーマの事業を採択しました。

産学連携チーフコーディネータ
櫻川智史
基礎コース
①展示設計技能承継のための量子アニーリング研究
展示会場のレイアウトづくりでは、ベテラン設計者が長年の経験から身に付けた「見やすさ」「歩きやすさ」「美しさ」などの判断が重要です。本研究では、こうした経験やコツをデータ化し、AIや量子アニーリングを活用して最適な配置を提案する仕組みを検討します。経験の少ない設計者でも質の高い展示レイアウトを作れることを目指します。
②海洋由来乳酸菌を用いた生もと清酒製造の高度化
駿河湾に生息する乳酸菌や酵母を使って、日本の伝統的な日本酒づくり「生もと造り」をより安定して効率よく行う研究です。発酵の仕組みを科学的に調べることで、品質の安定化や製造期間の短縮、省力化を目指します。さらに、地域ならではの特徴を持つ自然由来の日本酒として、海外市場への販路拡大に繋げます。
③新規アガラーゼによる寒天抽出残渣物の有効活用
寒天を作るときに出る海藻の残りは、毎年約180トンが産業廃棄物として処分されています。本研究では、この未利用資源を、新しく見つけた酵素「アガラーゼ」を使って糖に分解し、新たな資源として活用する技術を開発します。これまで利用が難しかった海藻由来の廃棄物を有効活用し、資源循環や環境負荷の低減につなげることを目指します。
④コンクリート表面仕上げ自動化機器の研究開発
コンクリートの床を平らで美しく仕上げる作業を、自動で行う機械の開発を目指します。電池で動く自走式の機械を開発し、まっすぐ進んだり曲がったりする性能や、きれいに仕上げる性能を確認します。さらに、機械の動きを記録するセンサー等を活用して、無線による遠隔操作技術を検討します。作業の負担軽減や人手不足の解消が期待されます。
⑤AI活用による介護シフト作成支援システムの構築
訪問介護では、利用者の体調や相性、介護スタッフの経験や得意分野などを考えてシフトを作る必要があり、多くの時間と経験が求められます。本研究では、こうした判断をデータ化し、AIが最適なシフト案を提案する支援システムを開発します。最後は人が内容を確認して決定することで、業務の負担軽減と介護サービスの質の向上を目指します。
⑥廃菌床を活用したヘラクレスマットの研究及び開発
きのこを収穫した後に出る廃菌床は、多くが廃棄され、処理費用も大きな負担となっています。本研究では、この廃菌床をヘラクレスオオカブトの幼虫を育てる高品質な飼育マットとして再利用する技術を開発します。幼虫の成長への効果を科学的に調べ、廃棄物の削減と新たな資源としての活用を目指します。
応用コース
⑦海中作業を行えるロボットの位置・姿勢の安定化を開発
船や海の施設の掃除や点検を人の代わりに行う水中ロボットの開発を目指す研究です。濁った海や潮の流れがある場所でも、ロボットが壁にしっかり吸着して安定して作業できる技術を開発します。さらに、撮影した画像を組み合わせて設備の状態を分かりやすく確認できるようにし、点検作業の効率化や安全性の向上を目指します。
⑧吸引機能付き水圧駆動水槽研磨機の開発
水中構造物や大型水槽の清掃・研磨を、安全で効率よく行う機械の開発を目指す研究です。水を動力に使うことで、油漏れや感電の危険を減らし、環境への負荷も抑えます。さらに、研磨で出たごみを同時に吸い取る仕組みを取り入れ、作業時間の短縮や省エネルギー化を実現し、水槽や海洋施設の保守管理への活用を目指します。

どのテーマも、地域課題を解決する内容として相応しく、かつ、魅力ある提案をいただきました。よりよい成果に結びつくことを期待して、産学連携コーディネータの立場としても応援していきます!
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