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地域課題に係る産学共同研究委託事業

令和6年度 進捗状況 株式会社清友農材センター

基礎コース

セルロース繊維を活用した次世代型雑草抑制資材の開発

[委託先団体] 株式会社清友農材センター
[連携大学] 静岡大学農学部 教授 稲垣栄洋
[連携団体] 日本オーガニック株式会社 

目的

都市緑地の管理においては、街路樹を伐採した造園残渣と草刈りによる雑草残渣が、大量の「燃えるゴミ」として排出されます。本研究では、次世代の素材とされるセルロース繊維(たとえばCNFなど)の機能性を活用し、造園残渣を原料とした雑草抑制資材を開発することで、資源管理型の雑草管理を目指します。

また、リサイクル資材でありカテキン類などの雑草抑制物質を含む茶殻の活用も試行します。排出される植物残渣で都市緑地の雑草抑制を行なう「‘緑’の地産地消で、都市の‘緑’を管理する」ことが、本研究の目指すゴールです。

進捗状況

本研究ではセルロース繊維の雑草抑制効果を確認しました。ただし、セルロース繊維は、繊維の粗さによって、雑草抑制効果が異なります。また、土壌中に散布したセルロース繊維が乾燥すると、土壌を凝集し、生じたすき間から雑草が生えることが問題になります。そこで、セルロース繊維の粗さを変化させて、雑草抑制効果の違いや凝集程度の違いを調査し、雑草抑制資材の材料として適切な繊維の粗さを明らかにしました。

また、実験室内において、セルロース繊維と造園残渣や茶殻等の有機物資材を組合わせた雑草抑制効果の検証を行ないました。

現在、清友農材センターで試作した資材を静岡大学の農場に提供し、実証試験を行なった結果をフィードバックして資材の改良を行なっているところです。

なお、静岡大学附属農場での実証試験と合わせて、清友農材センターや連携機関でも、実証試験を行なっています。

[写真1:フィールド試験の様子(周囲に比べて
試験区内は雑草の繁茂が抑制されている)]

これより、繊維の粗さや茶殻配合比の最適化を図ることで、雑草抑制資材の開発に繋げることが確認できました。この研究成果の一部について特許出願を予定しています。

実用化に向けてはクリアすべき課題も残りますが、当初、想定していた基本性能については十分な資材の開発ができつつあります。現在、さらに新しい2つのアイデアにより、技術開発を進めています。この技術はまだアイデアの段階に過ぎませんが、今後、特許申請の可能性を含んでいます。そのため、アイデアの詳細については、実験終了後に報告します。