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地域課題に係る産学共同研究委託事業
【発展コース】
人工海藻C-lantを活用した新しい藻場造成手法の確立とビジネス化に向けた実証
[委託先団体] 株式会社東海アクアノーツ
[連携団体] 静岡市海洋産業クラスター協議会
目的
人工海藻C-lantは、藻場の衰退した海域や海藻の生育しない砂浜海岸等に容易に人工藻場を作り出せる新技術です。基礎(令和3年)・応用(令和4年)コースを実施した結果、数多くの魚介類が集まり豊かな漁場を形成することがわかってきました。
C-lantの即効性と斬新なアイデアは、ブルーエコノミーを推進する業界から高い関心を集め、シンポジウムや講演会等で好評を得ました。しかし、本国での事業化には「前例」が重要視され、時間を要すると予想されます。
[図1:人工海藻C-lant]
一方、JICA(独立行政法人国際協力機構)プロジェクト等を通じ、被支援国では住民による沿岸環境保全と資源増殖の取り組みが不可欠です。設置に大型重機を必要とせず、人力で設置可能なC-lantは効果的なツールです。
本事業は、東南アジア諸国の水産事情に精通したアドバイザー石川智士教授(京都府立大学)と共に、カンボジア沿岸にC-lantを設置し、熱帯海域での効果を検証します。これにより、カンボジア水産局のプロジェクトへのC-lant採用を目指し、静岡から生まれたこの技術の国内外への広域的展開を進めていきます。
進捗状況
カンボジア水産局の沿岸環境保全と資源増殖対策プロジェクトにおいてC-lant採用を検討するため、令和6年2月29日にC-lant藻場約9㎡(84本)をカンボジア国ケップ州沿岸に設置しました。潜水調査およびタイムラプス撮影により設置直後の魚介類蝟集状況のデータを得ることができました。追跡調査は5ヶ月後の令和6年7月29日から8月1日に実施しました。
8月2日のカンボジア水産局での報告会では、水産局次長、プロジェクトリーダーを含むスタッフ13名が参加し、C-lantチームの現地での活動に対し高く評価され、「ぜひ一緒に仕事をしたい」との言葉をいただきました。カンボジアでは、国民のたんぱく質摂取量の約8割が水産物に依存しているため、沿岸環境保全への関心が非常に高いです。また、海域だけでなく内水面漁業も盛んなため、淡水域でのC-lant活用についても提案しています。カンボジアでの信頼関係を築くことは今後のビジネスに好展開をもたらすと考えています。
8月9日には東南アジア圏での展開に向けた重要なステップとして、タイ・バンコクの東南アジア地域の漁業開発促進を目的とした国際機関SEAFDECで、民間企業として初めてC-lantのプレゼンを行い、好評を得ました。
[写真1:C-lant設置状況
(カンボジア国ケップ州)]
[写真2:カンボジア水産局報告会]
[写真3:SEAFDECプレゼン
(民間初)]
国内では五島列島小値賀島で令和7年3月に試験設置予定です。また国外での活動をスムーズに行えるよう異文化言語環境に対応する写真を多用したマニュアルの作成を現在進めております。
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