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地域課題に係る産学共同研究委託事業

令和6年度 進捗状況 愛工業株式会社

基礎コース

AIによるプラスチック射出成形不良の原因分析と発生予測

[委託先団体] 愛工業株式会社
[連携大学] 静岡理工科大学情報学部 特任教授 富樫 敦

目的

愛工業では、プラスチック成形設備・環境データと過去の不良発生データを蓄積しています。不良発生の見える化により不良ロスの拡大を抑制していますが、不良が発生した後でのアクションとなり、未然防止まではできていないのが実情です。

本研究では、蓄積したデータと生情報を活用する事で不良発生の未然防止を行い、工程内不良1/3化を狙います。それにより経営上のロス最小化及び品質管理レベル最大化の達成、またその中でベテランの経験と勘を補填する可能性についても検討します。そして、今年度は射出成形不良の原因究明と不良予測案の提案を行います。

進捗状況

愛工業が常に収集し保有しているデジタルデータである、検査データ(不良発生情報)、成形機データ(機械の動き情報)、環境データ(工場の温湿度情報)が異なるデータフォーマットとなっているため、それらを統合したデータベース生成まで行っています。

現時点で1ヵ月分のデータで百万行規模のビッグデータ、季節性を加味した環境情報の学習を行うためには数千万行規模のビッグデータとなることがわかってきました。

今後、以下の点に注力し、研究内容を深めていきます。

  1. 不良の原因究明に向けて
    ・ビッグデータより不良発生と成形機×環境の因果関係を分析
     特にショート(樹脂材料が金型に十分充填されていない状態)という不良モードに特化した分析
    ・因果関係分析結果に合わせたデータベース構成の改善
  2. 不良予測に向けて
    ・因果関係に応じた不良予測案の提案
    ・環境データ追加(金型in-out水温と流量)、リアルタイムデータの取得