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地域課題に係る産学共同研究委託事業

令和6年度 進捗状況 株式会社シンビ

基礎コース

廃食用油のバイオ燃料化とエネルギーの地産地消モデルに関する研究

[委託先団体] 株式会社シンビ
[連携大学] 静岡大学未来社会デザイン機構 教授 丹沢哲郎
[連携団体] 静岡油化工業株式会社 

目的

脱炭素化の世界的な流れを受けて、化石燃料に依存しないバイオ燃料が注目を浴びています。廃食用油についても軽油の一部代替燃料として期待されています。一般的に、廃食用油を精製したバイオディーゼル燃料はBDF(Bio Diesel Fuel)と呼称されていますが、収集運搬、精製の仕方、使い方においても様々な検討課題を抱えているのが実情です。

本研究では、自らの事業所から生じた廃食用油を、精製し、自ら再利用する地産地消モデルに関する実証研究を行います。これより、技術面・消費面・コスト面で無理のないプランの提案を目指します。

[図1:使用済み天ぷら油(廃食用油)から発電機を運転させる電気をつくる技術]

進捗状況

■廃食用油のBDF化について

廃食用油は、静岡大学静岡キャンパスの学食から生じるものを利用します。月平均200Lの廃食用油が生じており、業者に依頼し、協力企業にてBDF に精製しました。手順としては、①原料受け入れ、②アルカリ・メタノール加熱反応(エステル交換)、③静置分離、④温水洗浄、⑤静置して精製BDF を得ます。

これを基本としますが、さらに⑥蒸留操作による高精製BDF 化についても研究を進めます。現在、各操作の最適条件出しと、BDF の性能(動粘度、引火点)について分析中です。

[図2:BDFの製造工程(アルカリ触媒法)]

今後の取組みは、得られた精製BDFを軽油専用発電機(レンタル品)に使用し、B5(軽油の5%代替)に始まり、順次BDFの比率を高めていく連続稼働試験を行います。これより装置的なトラブルや対処方法まで含めて課題を抽出します。また、安全率を見込んだ配合比率で、大学内農業用トラクターへの適用についても検証する予定です。