[委託先団体] 株式会社製茶問屋山梨商店
[連携大学] 常葉大学健康科学部 教授 青田安史、准教授 内田全城、講師 中村浩一
[連携団体] 技術士事務所トーテック、紫屋せんい技術士事務所、古川看護師、静岡県工業技術研究所
病気の後遺症などにより、拘縮(関節が動きにくい状態)が生じることがあり、適切な処置をしないと時間の経過とともに進行していきます。手が拘縮状態になると、掌内の蒸れ、悪臭やただれなどの皮膚疾患を引き起こし、日常生活に支障をきたします。 |
[写真1:開発製品] |
拘縮手の患者10名に4週間着用していただき、装着前後で計測を行いました。計測は、全手指の屈曲・伸展と各手指関節(中手指節、近位指節間、遠位指節間)の可動域について行いました。着用前後で全手指屈曲と全伸展可動域の維持・拡大効果が認められました。また、中手指節関節と遠位指節間関節においても有意に可動域が拡大しました。
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[写真2:試作品着用の様子] |
[写真3:手指関節可動域の計測風景] |
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試料として、原料に使用する綿紬、ブレンド茶(煎茶とほうじ茶を配合)及び試作品について評価しました。
@【吸湿性試験】 |
[図1:吸湿性試験] |
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[写真4:試料と臭気物質を入れたテドラーバッグ] |
拘縮手患者用の悪臭・ただれの緩和のための吸湿・消臭機能をもつ握り袋の開発を行いました。アーチ形状の握り袋を使用することで、拘縮の進行抑制に寄与することが示唆されました。静岡県の特産品であるお茶と綿紬の2つの原料を使うことで、それぞれ異なる吸湿・消臭機能の特徴を併せ持つ製品を開発することができました。