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B-nest(ビネスト)TOP > 産学連携推進事業 > 地域課題に係る産学共同研究委託事業 > 令和2年度研究成果 株式会社エイビイエス

地域課題に係る産学共同研究委託事業

令和2年度 研究成果

クラゲ予防効果のあるサンスクリーン開発

[委託先団体] 株式会社エイビイエス
[連携大学] 愛媛大学大学院理工学研究科 准教授 高田裕美
[連携団体] 愛媛県立長浜高等学校、株式会社アリエ

目的
図1:今回開発したサンスクリーン
[図1:
 今回開発したサンスクリーン]

愛媛県立長浜高校と愛媛大学の研究によって、刺胞動物(クラゲなど)の毒針発射のメカニズムとして、塩化Mgと塩化Caが作用しているということが世界で初めて解明されました。この研究をもとに、クラゲ予防クリームの「ジェリーズガード」を製品化し、2019年4月に発売しました。

この商品の第2弾として、日焼け止め効果を付与することを目的に開発しました。

成果

前作のジェリーズガードをもとに試作品を5種類試作し、安定性の試験を実施しました。安定性の判断には加速度試験を行い、20℃、60℃、30℃〜60℃に6時間ごとに変化する環境で静置し、10日間経過した製品の状態を見て判断しました。そして、安定性が得られた試作品をベースとして、使用感や香料の官能性能に調整を加えて、改良版の試作を行いました。この試作品でSPF(日焼け止め)の本試験(試験規格:ISO24444 SUN PROTECTION FACTOR TEST METHOD)を行いました。10名の被験者に規定量の試験体を塗布し、紫外線を照射しその変化を測定しました。試験の結果はSPF58 PA++++の結果となり、この試作品をもって@クリームの安定性とA高SPF効果を確保できました。

実験には、ユウレイクラゲ(写真1)、アカクラゲ(写真2)、アマクサクラゲ(写真3)の3種を使用しました。竹串の先端(尖っていない側1cm)を、容器に入ったクリームに浸けて塗布し、10 分間放置して乾燥させました。クリームの付着した竹串を水槽内のクラゲの触手に10秒間あて、その付着度合いでクリームのクラゲ予防効果を評価しました。評価方法は、クリームを塗布した部分と触手を接触させ、その接触時間と絡みつき方をもとに、0〜3で評価し平均値を計測しました。数値は低いほどクラゲ予防効果が高いと判断しました。

写真1:ユウレイクラゲ
[写真1:ユウレイクラゲ]
写真2:アカクラゲ
[写真2:アカクラゲ]
写真3:アマクサクラゲ
[写真3:アマクサクラゲ]

今回実験した試作品は、3種のクラゲ全てにおいて、一昨年発売したJELLYSGUARDよりも高いクラゲ予防効果が見られました。クラゲの種類によって効果に違いがあるものの、試作品は高い予防効果のあることが確認できました。アマクサクラゲに対してのみ、他社製品より低い効果になりましたが、国内の出現数としてはアカクラゲが最も多いので、非常に期待できる結果となりました(図2)。

ユウレイクラゲに対するクリームの効果
ユウレイクラゲに対するクリームの効果

アカクラゲに対するクリームの効果
アカクラゲに対するクリームの効果
アマクサクラゲに対するクリームの効果
アマクサクラゲに対するクリームの効果


[図2:各種クラゲに対するクリームの効果](黄色は平均点、赤線は試作Cの基準)
まとめ

本研究の課題は、@安定した剤型、A高SPFの2つで、この問題は今回の開発によって、原料メーカーの変更および製造方法の改善によって解決することができました。また、この商品のポイントであるクラゲ予防効果について、愛媛大学及び愛媛県立長浜高校の協力によって、製品化に向けて一定の成果を得ることができました。これまで製造できなかったクラゲ予防効果のあるサンスクリーンを開発することができました。サンスクリーン機能は、海水浴など野外レジャーにおいて非常に求められてきたことであり、従来品に対しても最も要望の多かった機能です。この開発の成功によって、より多くのユーザーからの要望に応えることができるようになりました。

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