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B-nest(ビネスト)TOP > 産学連携事業 > 地域課題に係る産学共同研究委託事業 > 令和3年度研究成果 昭和設計株式会社

地域課題に係る産学共同研究委託事業

令和3年度 研究成果

サーマル(熱赤外)カメラ搭載ドローンによる感染初期の松枯れ調査手法と対処方法の開発

[委託先団体] 昭和設計株式会社
[連携大学] 静岡県立農林環境専門職大学短期大学部 生産科学科 講師 星川健史
[連携団体] 静岡県農林技術研究所森林・林業研究センター

目的

クロマツの海岸林は、高潮や津波から地域を守るとともに、観光資源として魅力ある風景(白砂青松)を創り出す、地域にとってかけがえのないものです。この海岸林を次世代に継承するためには、松枯れの原因となるマツノザイセンチュウ(以下、「センチュウ」と示す)による被害を抑制することが必要になっています。

昨年の基礎コースでは、見た目では認識ができない夏前に感染した感染初期木と健全木の樹冠表面には、温度差が発生することが確認できました。しかし、感染初期木の枯れ始めの時期、健全木との温度差等の生態が解明されておらず、現地で的確に感染初期木を抽出することが困難な状況にありました。

そこで、本研究では、圃場において、意図的に感染させた感染初期木と健全木について、サーマルカメラで時間経過による表面温度差等を確認していき、クロマツの生態を明らかにするとともに、その結果を活用し、広大な海岸林等で効率的に調査を行うための撮影方法を整理しました。また、センチュウの活動を停止させる樹幹注入剤をクロマツに注入し、感染初期の松枯れを回復させることができる時期や回復方法も検討しました。

成果
図1:感染したクロマツの生態イメージ
[図1:感染したクロマツの生態イメージ]
@「サーマルカメラは感染初期木の早期検出に適している」

水ポテンシャルとサーマルカメラで計測した幼木の樹冠表面温度は、同時期に大きな変化を示しており、樹冠表面温度は水ポテンシャルと直接的な関係があると考えられます。また、松脂樹脂量の変化は、水ポテンシャル及び樹冠表面温度の変化より後に起こっており、樹冠表面温度を計測することで樹脂量よりも早く被害を発見できる可能性が示されました(図1)。


図2:サーマル画像での感染木の抽出例
[図2:サーマル画像での感染木の抽出例]
 (推定式の温度以下の場所を青く表示)
A「サーマルカメラの測定結果に影響を与える日射量等の外的要因を踏まえた感染初期木の温度が明らかになった」

サーマルカメラで計測される表面温度は、一般的に気温、湿度、日射量等の外的要因の影響を受け、変動することが知られており、樹冠の表面温度でも同様の事象が考えられます。これらの外的要因から、クロマツの表面温度を求める推定式を導き出すことで、調査時に感染初期木を効率良く発見することが可能となりました(図2)。



写真1:樹幹注入剤の投与
  [写真1:樹幹注入剤の投与]
B「サーマルカメラで感染初期木を発見した後の対処方法が明らかになった」

センチュウを3万頭接種したクロマツ20本に対して、マツ材線虫病予防効果が確認されている樹幹注入剤2種類を投与し、その効果を検証しました(写真1)。その結果、センチュウを接種したクロマツは、樹幹注入剤の使用の有無に関わらず、松脂の流出が停止しました。感染初期木は、樹体から発散する化学物質で、 センチュウの感染源となるカミキリを誘引するため、その周辺にある健全なクロマツにも感染が拡大することが懸念されます。このため、感染初期木と特定されたクロマツは、早期に除去していくことが望ましいと考えました。また、感染初期木の早期発見が可能となったため、今後、治療効果の高い新薬の開発も期待されます。

まとめ

本研究では、限られたデータをもとに表面温度の推定式を設定しました。今後はその技術を実用化しながら、データを収集し、推定式の精度を高めていくとともに、他の樹種にも応用し、良好な緑地等の環境維持に努め、持続性の高い地域づくりに寄与していきます。

概要報告書のダウンロード

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