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B-nest(ビネスト)TOP > 産学連携推進事業 > 地域課題に係る産学共同研究委託事業 > 令和4年度研究成果 有限会社西尾商店

地域課題に係る産学共同研究委託事業

令和4年度 研究成果

 【発展コース】

マイクロ波抽出香りエキスと濃縮だしを使ったレトルト新商品(カレー)の開発と販路開拓

[委託先団体] 有限会社西尾商店
[連携団体] マルミヤ食品株式会社、ワールド株式会社、有限会社スタジオ・オカムラ

目的
写真1:バッチ式マイクロ波減圧蒸留乾燥装置
  [写真1:バッチ式
   マイクロ波減圧蒸留乾燥装置]

基礎および応用コースでは、カツオ節類から「マイクロ波抽出香りエキス」と「マイクロ波抽出濃縮だし」を開発しました。

本発展コースでは、それらの活用としてレトルトカレーと冷凍カレーパンの商品開発を行いました。展示会等で幅広くPRしながら、販売促進に努め、さらに応用製品開発に繋げていきます。

成果

レトルトカレーの開発には、清水エスパルスドリームプラザ直営店「はとばキッチン」の人気カレーにエキスを添加することで、既存のカレーよりもコクが強く、旨味が増加したカレーができあがりました。このカレーを「クラフトベースカリー」と名づけました。さらに、『清水を“美味しい”で笑顔に!元気に!』をキーワードにして集った清水区内の4飲食店にも協力をいただきました。その結果、@Bon Masuda(オマール海老カリー)、Aワイン食堂SHANTI(ブルーチーズクリームカリー)、B美味しいお蕎麦、地肴、地酒ふるさと(桜海老とカルダモンのカリー)、C麺処ARIGA(特製チャーシューたれカリー)に「クラフトベースカリー」をアレンジをしていただき、5種類の特徴あるカリーができあがりました。

写真2:クラフトカリーパッケージとチラシ
[写真2:クラフトカリーパッケージと
             チラシ]

包装デザインについては、5種類のカレーとも同一とし、クラフト感(手作り感)を重視して封筒への印刷としました。包装資材表面に各店舗の名称を入れ、✓点を付けることで商品の中味がわかるような工夫をしました。内容量を100gとコンパクトなミニサイズにすることで、5種類の食べ比べを楽しめ、持ち運びも容易となり、アウトドアシーンにも向いた商品ができありました(写真2)。

写真3:食べ比べ評価
   [写真3:食べ比べ評価]

東海大学の学生19名に食べ比べ評価をして頂きました(写真3)。スパイシーさ(辛さ)、クセ(特有の風味や味)、濃厚さ(味の濃さやとろみ)、風味(香り)、ご飯やパンとの相性の5項目を評価し、レーダーチャートに表しました(図1)。

図1:5つの評価項目をまとめたレーダーチャート
[図1:5つの評価項目をまとめたレーダーチャート]

「クラフトベースカリー」を使った冷凍カリーパンの商品開発には、OEM製造を得意としているワールド株式会社に依頼しました。特徴は、油で揚げなくても食べられる手軽さです。レンジで加熱調理を可能とするため、揚げ行程まで完了したものを冷凍し、形状は21cmのスティックタイプで食べ応えがあり、食べやすさを重視し、内容量は80g/本×4本入としました。包装はフィルムタイプの資材をデザインし、ワールド株式会社で包装までの行程を製造していただきました。カレーパンの食べ方は2通りあります。レンジで温めるだけのお手軽カリーパンと、その後オーブントースターで加熱して焼きカリーパンを楽しめるタイプとしました。簡単調理で美味しい「クラフトカリーパン」が完成しました(写真4)。

写真4:クラフトカリーパン、調理方法
写真4:クラフトカリーパン、調理方法
写真4:クラフトカリーパン、調理方法
[写真4:クラフトカリーパン、調理方法]
まとめ

今までレトルト食品や冷凍食品を自社商品として手掛ける前例がなく、連携団体の方々に相談、協力、各団体の知見を得ることができ、商業施設とのコラボ商品が完成しました。これは、開発したエキスが様々な食品への応用可能性を高めた、非常に重要な結果だと言えます。

また、海外の食品メーカーへは、これらのエキスでワンランク上の味、和食のだし感の代替商品としても可能性を探り、広くPRしていきます。

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