【委託先団体】株式会社ウェルビーフードシステム
【連携団体】有限会社石井育種場
【連携大学】静岡県立大学薬学部 教授 前田利男、教育研究推進部産学連携室 特許活用アソシエイツ 山ア元貴
現代の社会問題となっている生活習慣病を防ぐまたは改善する食材の開発を目指しました。本研究開発では、従来の食餌制限による脂質の摂取を減らす方法ではなく、腸が吸収しすぎる脂質を正常な吸収量に改善し体内の脂質・コレステロールを減少させようという考え方に基づいています。
グァー豆は食物繊維含有量が80%と高く、無味・無臭で低粘度なので様々な食品に使用可能な食材です。グァー豆の効果を検証し、それを用いたレシピを開発、生活習慣病予防食として商品化していくことを目指しました。
人では、加齢により腸管内細菌叢の菌の分布が変動することが知られていて、高齢者の疾患の原因となっているとの指摘があります。また、肥満患者では、腸内細菌叢が変化し、細菌により産生される有機酸量の変動が疾病発症の原因の一つであると報告されています。また、肥満動物の腸管内細菌叢を除去し無菌動物とすると肥満が改善されることが知られています。
下図は、メタボリックシンドロームを発症しない正常マウスと糖尿病等のメタボリックシンドロームを発症する肥満マウスの腸管内細菌叢を比較したものです。肥満マウス(対照)は正常マウス(対照)に比べ、Lactobacillasが増加し、逆にBifidobacterium、Prevotera、Clostridiumu cluster X[が減少していました。ヒトにおいても肥満により同様な細菌叢の変動が報告されています。
グァー豆の水溶性線維を肥満マウスに投与すると、腸内細菌叢の分布が改善され、耐糖能の低下や肝脂質蓄積が改善されました。このことは、腸内細菌叢を健全化することで、メタボリックシンドロームを改善することを示唆しています。
[正常マウスと肥満マウスの腸管内細菌叢] |
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当社では、粉品・ペースト品を応用した食材について、提携の介護施設への展開を進めていきました。またそれ以外の業界、例えば製菓・洋菓子・和菓子・介護食等への販売も視野に入れ、定食類のメニューとして20種類程度、又おやつ関連で30種類程度のメニューを開発することを目標としました。
開発したメニューについては、グァー豆のとろみ感に対して違和感がないか、味を決定する参考として味見会を開催しました。
試作したメニューでは、1.インド料理、2.おやつ関係、3.ソフト食、4.医療関係、5.福祉関係、以上のメニューが評判の良い食事でした。今後もより多くのグァー豆添加食事の開発を目指していきます。
[1.インド料理] | [2.おやつ関係] | ||
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チキンカレー |
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豆乳おからクッキー |
[3.ソフト食] | [4.医療関係] | [5.福祉関係] |
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