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B-nest(ビネスト)TOP > 産学連携推進事業 > 地域課題に係る産学共同研究委託事業 > 平成25年度研究成果 フジヤ漬物食品株式会社

地域課題に係る産学共同研究委託事業

平成25年度 研究成果

次代につなぐ伝統食品「糠漬」量販を可能とする鮮度保持技術

【委託先団体】フジヤ漬物食品株式会社
【連携大学】沼津工業高等専門学校物質工学科 教授 蓮実文彦、准教授 竹口昌之

目的

現在、市販されている漬物の大部分が塩漬け(浅漬け)であり、わが国の伝統的な「糠漬け」については鮮度維持が困難という理由から、市販は限定的になっています。しかしながら糠漬けは、糠床に含まれる様々な微生物の作用により、野菜のもつ旨味や有用な乳酸菌などの摂取が可能で、食味のみならずプロバイオティックス食品となるものとも考えられます。この優れた伝統食品を次代に引き継ぐには鮮度保持技術開発が不可欠です。そこで本研究では、量販可能な糠漬けの鮮度保持技術の開発を目指しました。

成果

当社は、すでに「きゅうりの糠漬け」を製品化しており、その賞味期限は冷蔵保存で5日間です。本研究では、糠漬けにおける鮮度低下原因を明らかにして、浅漬けと同様、冷蔵保存で賞味期限10日間を可能とする技術開発を目指しました。

■鮮度評価方法の確立と鮮度低下原因の探索

鮮度保持技術の開発を行うにあたり、まずは鮮度評価基準を明確にする必要があり、その指標を含水率、pH、生菌数として、これらの経時変化を測定しました。

含水率については8日間でほとんど変動がありませんでした。一方、pH及び生菌数については右のグラフのような結果が得られました。冷蔵保存(4℃恒温下)の糠漬けでは、pH変化はわずかな上昇でしたが生菌数が6日後に3倍に上昇、また、室温保存の糠漬けでは、pHは4日後より急速に上昇、生菌数も6日後には5万倍に上昇しました。これらの結果から、pHと生菌数とが鮮度評価基準となり得ることがわかりました。

フジヤ漬物食品株式会社_イメージ1

[糠漬けきゅうりの生菌数及びpH経時変化]

生菌数の増加が鮮度低下の原因であることがわかったので、糠漬け作業のいずれの過程で微生物が混入したのかを調べたところ、仕込み時の漬け汁や糠の中に微生物の存在が観測され、それらが鮮度低下の原因であることがわかりました。

■微生物数抑制技術の開発

(1)漬け汁
熱処理による方法と紫外線照射による方法について検討を行ったところ、熱処理については、通常の高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)条件である121℃、15分間の条件で滅菌され、風味も損なわれないという結果が得られました。

(2)糠
クエン酸を添付する方法、熱処理による方法、及びマイクロ波処理の検討を行ったところ、マイクロ波処理では5分間の照射で滅菌できることがわかりました。さらに糠の高さと糠が変色するまでの照射時間との関係を調べると、糠の高さが高くなるほど変色しにくいことが示唆されました。



フジヤ漬物食品株式会社_イメージ3
[マイクロ波1.5分間照射後の糠]
■製造現場への導入、評価

以上の実験結果をもとに、製造工場にて殺菌処理(漬け汁は熱処理、糠300gに対して600W出力のマイクロ波処理)を行ったところ、未処理のものに比べ生菌数が減り(製造10日後:未処理の約1/10)、食感・風味とも長く保たれているという結果が得られました。

フジヤ漬物食品株式会社_イメージ4
[冷蔵保存後の糠漬けきゅうり(製造10日後)]
右上:熱処理漬け汁及びマイクロ波処理糠使用
左下:未処理

概要報告書のダウンロード

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