[委託先団体] 株式会社平垣製作所
[連携大学] 静岡大学教育学部 教授 伊藤文彦
「鋼製小物」と言われる医療用機器(手術用匙)の柄については50年来変わりなく、昔ながらのデザインと手作り感が維持されてきました(写真2)。
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[写真1:手術現場の様子] |
[写真2:鋼製小物の医療機器] |
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しかしながら、デザイン性に優れ、使い勝手の良い製品を目指すことは、新たなブランドとしての製品価値を上げ、共通化部品により生産性の向上も期待できます。ここでは、耳鼻咽喉科用匙の柄に焦点を当て、斬新なデザインアイデアを盛り込むことで、新たな市場価値を生む研究を目指しました。 |
[写真3:SPメディカルクラスター ロゴマーク] |
■準備プロセスの実施
(1) 整形外科病院、耳鼻咽喉科病院でのヒアリング、ニーズ及び使用方法の確認。
(2) デザインに携わる学生の知識技術習得。SPメディカルクラスター企業(切削・板金・3Dプリンター樹脂金型)への工場見学会を実施
■デザイン案の提示
医療機器に縛られない、自由な発想での「匙の柄」のデザイン化への実施。各コンセプトによる17点のデザイン案を提示(写真4)。
[写真4:17点のデザイン案] |
デザイン案に基づいた、3Dプリンターモデル・各技術企業のステンレス製での試作により、今までになかった「鋼製小物の柄のデザイン化」が完成しました(写真5)。従来にない斬新なデザインでもあったため、そのまま製造販売していくのには課題もありますが、新たな視点・発想・取組みは、現医療機器メーカーや医師から非常に高い評価をいただきました。
今後、展示会などにてサンプル品を提示し、さらにブラッシュアップして行くことで具体的な製品化への道が見えるものと期待しています。
[写真5:デザイン案に基づく3Dプリンターモデル及び試作した鋼製小物] |