[委託先団体] するが夢苺株式会社
[連携大学] 静岡大学農学部 教授 鈴木克己、静岡英和学院大学短期大学部 教授 前田節子
[連携団体] 久能いちご産地研究会
100年以上の歴史を持つ静岡市の久能石垣イチゴですが、高低差がある山の中腹を利用しているため、上下のハウス内環境が異なり収量にばらつきがあることや、石垣を組みなおす作業、多棟ハウスの窓の開閉作業などが重労働のため苦戦しています。 |
[写真1:静岡の石垣イチゴハウス] |
ハウス内環境や生産過程の調査を行った結果、石垣の組み立てが重労働であること(写真2)、高低差により上下で灌水量が異なり、下部の方が2.8倍多いこと(図1)、ハウス内気温は冬季においても高く保たれ、地温も10〜15℃で安定していること(図2)などが明らかになりました。 |
[写真2:石垣組み立て作業] |
[図1:ハウス上部と下部の積算流量 (灌水量)] |
[図2:冬季のハウス内温度と地温の変化] |
また、端境期対策としてイチゴをパウダー化することで、様々な商品開発が可能になりました(写真3)。
[写真3:イチゴパウダーの用いた試作品] |
以上の調査から、現状の課題に対しての改良案を取りまとめました(表1)。
[表1:石垣イチゴの安定生産のための課題対応] |
静岡の石垣イチゴ安定生産のために栽培環境や生産過程を調査し、今後の改良案をとりまとめました。端境期対策として、イチゴパウダーを用いた商品開発を行いました。
化石燃料を使用せず、太陽熱を利用した栽培は、地域のエネルギー資源を有効活用している好例であり、石垣イチゴ生産は今後も静岡市の観光資源の一助となることが期待できます。