開催日:平成22年3月18日(木)13:20〜
会場:B-nest静岡市産学交流センター
6階プレゼンテーションルーム
静岡市産学交流センターでは、地域の産業が抱える身近な課題について、大学と企業とが共同で取り組む「地域課題に係る産学共同研究」の委託事業を公募、平成21 年7月より8ヶ月をかけて研究を行って参りました。
それらの研究を多くの方々に知っていただき、その成果を広く活用していただきたく、このたび成果発表会を開催いたしました。静岡市地域のビジネスに深く係った研究テーマばかりです。
大学の知財を活用して新たなビジネス展開をお考えの方々や産学連携にご興味のある方など、ぜひご参考にしてください。
【委託先団体】株式会社喜作園
【連携大学】静岡大学農学部 茶山和敏准教授
動脈硬化症は近年社会問題にもなっているメタボリックシンドロームの疾病の一つであり、その予防に寄与する緑茶成分、特に、カテキンおよびエピガロカテキンガレートとカフェインの最適配合比率を解明できれば、新たな緑茶の機能性として緑茶産業の活性化に繋がる。
そこで、緑茶の新たな機能性を解明して静岡発の新しい機能性緑茶飲料を開発することを目的として、メタボリックシンドロームの重篤な疾病の一つである動脈硬化症を最も強く抑制するカテキンおよびエピガロカテキンガレートとカフェインの最適配合比率を検討した。
※研究の概要については、下記より報告書のダウンロードができます。
【委託先団体】静岡市ホテル旅館協同組合
【連携団体】清水ホテル旅館組合・財団法人静岡観光コンベンション協会
【連携大学】静岡大学人文学部 朴根好教授、黄愛珍准教授
平成21年6月に富士山静岡空港が開港した。富士山静岡空港は、国内6路線とともに、中国(上海)、韓国(ソウル)の国際定期便を擁し、静岡市は清水港の海のルートに加え、空のルートでアジアと結ばれた拠点都市として、新しい歴史の1ページを開いた。
本研究は、空港開港で増加すると予想される中国、韓国からの来客に対し、相手国の言語での挨拶ができる人材育成、各種調査を介して、ホテル・旅館の国際化対応、静岡市の国際都市ブランド力の向上の課題・対応策についてまとめることを目的とした。
※研究の概要については、下記より報告書のダウンロードができます。
【委託先団体】株式会社レイライン
【連携団体】NPO法人地域観光産業オペレーション機構
【連携大学】静岡県立大学経営情報学部経営情報学科 岩崎邦彦教授
今日、全国を代表する“茶どころ静岡市”の茶業者の多くは、停滞もしくは衰退の状況にあり、茶業の振興が求められている。茶業の振興とともに、静岡市では、静岡空港の開港などを背景として、観光の振興も緊急の課題となっている。そこで、本研究では、緑茶と観光を融合した静岡型ツーリズムによる茶産地マーケティングの方向性を検討することを目的とした。緑茶を利用したツーリズムが定着すれば、静岡市の茶業の振興のみならず、観光振興にも結び付くことが期待できる。
※研究の概要については、下記より報告書のダウンロードができます。
【委託先団体】明陽電機株式会社
【連携大学】沼津工業高等専門学校電気電子工学科 望月礼二教授
当社は船舶及び動力機器用のセンサー、監視機器及び制御機器メーカである。顧客からの要望の中で、舶用低速ディーゼル機関のピストンリングとシリンダー間の磨耗状態を監視できれば、エンジンの吹き抜け等の重大事故を未然に防止することが可能であるとの要望があった。この要望を受け当社は、先に、鉄粉磨耗センサーを開発した。一方、高速回転機についてはメタル軸受けとなっており、ホワイトメタル(主材料:Sn、非磁性体)の摩耗粉検出も極めて重要な情報となることがわかった。このことから、非磁性金属の摩耗粉検出を本研究開発のテーマとした。
※研究の概要については、下記より報告書のダウンロードができます。
【委託先団体】NPO法人まちづくり考房SHIMIZU
【連携団体】清水駅前銀座商店街振興組合・静岡県中小企業団体中央会
【連携大学】法政大学大学院静岡サテライトキャンパス政策創造研究科 政策創造専攻 坂本光司教授
近年、わが国商店街が総じて衰退傾向が著しいのは、商店街及びそこに集積している小売商店を取り巻く経営環境が、かつてとは根底的に変革化しているからである。つまり、近年の商店街や小売商店の問題の本質は、景気の変動がもたらす一時的・一過性的な変化・問題ではなく、いわば構造的な変化・問題が発生している。商店街及びそこに立地集積する小売商店などの存立基盤に重大な影響を与えている環境変化は多々あるが、それらを含め、商店街に内包する各種課題を整理し、商店街活性化の視点・方策を検討する。
全国の活性化に成功した中心市街地商店街のフィールド調査を実施することで、それらの活性化成功へのモデルを抽出し、清水駅前銀座商店街の今後の将来ビジョン構想の策定を図り、もって中心市街地商店街活性化に向けての政策の創造に資することを目的とする。
※研究の概要については、下記より報告書のダウンロードができます。
【委託先団体】株式会社田丸屋本店
【連携団体】株式会社テクノスルガ・ラボ
【連携大学】静岡県立大学食品栄養科学部食品生命科学科 大橋典男教授
いわゆる「健康食品」と呼ばれるものの中で、特にヨ−グルトなどのプロバイオティクス食品は近年注目を集めている。ヨーグルトは元来、外来もので動物由来乳酸菌により牛乳を発酵したものである。近年、日本人の健康維持のためには古くから食されている漬物などの植物性乳酸菌が良いのではないかと考えられるようになり、現在、植物性乳酸菌によるヨーグルト等の発酵食品が注目を集めている。
静岡名産「わさび漬け」は、その歴史は古く、いまだに年配の方々には根強い人気がある。しかし、近年では豊富な食材、食生活の欧米化などにより、その消費が低迷している。特に、若い年齢層ほどわさび漬けを食べなくなってきている。実際、全国でのわさび漬けの生産量は、この20年間で半減した。そこで、本事業では、若い世代にも好まれる健康食品としての「わさび漬け新商品」の開発を目指した。
※研究の概要については、下記より報告書のダウンロードができます。
【委託先団体】静岡油化工業株式会社
【連携団体】有限会社遠中農園・杉井酒造有限会社・社団法人静岡県環境資源協会
【連携大学】静岡大学工学部物質工学科 中崎清彦教授
農家の高齢化や労働力不足・農作物価格の低迷で深刻化する遊休農地が増えている農家の課題解決が急務である。
又、新産業創出において「食と農」の改革・6次産業の創出をキーワードに、従来にない産学官・農商工が連携した資源循環型社会に向けたシステムを実現させる狙いで、生産から副産物利用まで一貫した利用を考えた事業を研究することとした。
本事業では、遊休農地を活用してサツマイモを栽培し芋焼酎を製造、さらに、生産段階で出る副産物(くず芋・焼酎粕)を原料としてバイオ燃料(バイオエタノール)を生産し、エネルギーとして有効利用する。また、蒸留粕を肥料化して農地還元を図る一連のシステムを立ち上げる。このことにより、生産から最終処分までを考えた資源循環型のモデル事業を立ち上げ、静岡発の農商工プランを実現化することを目的とした。
※研究の概要については、下記より報告書のダウンロードができます。
「地域課題に係る産学共同研究」の関係者と、会場にお集まりいただいた聴講者との意見交換、交流の場です。また併せて、今年度当センターで実施した事業も紹介しました。(マーケティング支援事業・中山間地域ビジネス支援事業など)