[委託先団体] 株式会社サイエンス
[連携大学] 静岡県立大学食品栄養科学部 准教授 原 清敬
[連携団体] 静岡県工業技術研究所
静岡市内で調達した竹を粉砕・乳酸発酵させ竹ぬか床を作製し、竹特有の香気を活かした発酵食品(漬物)を提供することを目的としました。自主獲得した菌株及び「食の都しずおか微生物ライブラリー」の分譲株から竹ぬか床に適した乳酸菌をスクリーニングしました。
■前処理、乳酸菌株のスクリーニングT(自主獲得菌株)、菌叢(きんそう)解析
(1) 2種類の竹粉(粗粉砕、微粉砕)を製造し、粒度分布を測定しました(図1)。 |
[図1:粒度分布測定結果] |
(2) 12種類の菌株から乳酸産生能力に優れる菌株をスクリーニングしました(図2)。スクリーニングの結果、有望であると考えられた「11」菌株について菌叢解析を行ないました。その結果、2種類の乳酸菌が優占することがわかりました(表1)。
[図2:自主獲得菌株の乳酸産生濃度] (No.13:コントロール) |
[表1:菌叢解析結果] |
「食の都しずおか微生物ライブラリー」の乳酸菌Lactobacillus plantarum 108株の分譲を受け、スクリーニングした結果、竹成分による生育阻害がなく高い乳酸産生能を示した3種類の菌株が得られました(表2, 図3)。 |
[図3:微生物ライブラリーの菌株の 乳酸産生濃度測定結果] |
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■竹ぬか床と漬物試作
安定した乳酸発酵を目指し、スターター方式により竹ぬか床を作製し、野菜類を使った漬物を試作しました(写真1)。 |
[写真1: 原材料と竹ぬか床のイメージ] |
(1) 竹の粉砕物(竹粉)を用いて乳酸発酵させ、竹ぬか床を作製しました。
(2) 乳酸菌のスクリーニング(T,U)では、竹成分による生育阻害のない乳酸菌を獲得しました。
(3) 乳酸発酵はスターター方式とするなどの基礎的データの蓄積ができました。
(4) 試作した漬物は、今後の商品化に向けて、更なる改良を進めていきます。