[委託先団体] AOI BREWING
[連携大学] 静岡県立大学食品栄養科学部 教授 新井映子
[連携団体] 静岡県工業技術研究所
AOI BREWIG(アオイブリューイング)は、静岡市初のクラフトビール製造メーカーとして、主にエールビールの製造を行っております。また、静岡の地域資源である柑橘類、いちご、わさび、緑茶を用いた独自のフルーツ系ビールの製造にも力を入れています。 |
[写真1:クラフトビール] |
ビール製造に使用されたモルトカスは水分を多量(70%〜)に含んでいますが、食品加工原料としての保存性や加工のしやすさの観点から、乾燥、粉末化を行いました。乾燥粉末化したモルトカスは食物繊維を豊富に含み、健康機能性成分のひとつであるβグルカンも含んでいることや、食物繊維分解酵素で処理をすることにより水溶性のポリフェノール量が増加することも明らかになりました。
[写真2,3:ビール製造直後のモルトカスを乾燥、粉末化] | ||
[図1:酵素処理によるポリフェノール含有量の変化] |
また、用途開発では小麦粉の一部代替素材として、食パン、クッキーの原料として配合したり、ポテトチップス用のシーズニングパウダーに配合したものを試作しました。
[写真4,5: モルトカス配合食パン(試作品)] (左: 無添加 右:10%配合) |
[写真6,7: モルトカス配合クッキー,ポテトチップス(試作品)] |
クラフトビール製造に用いた麦芽を乾燥、粉末化させる工程を確立し、食品素材として使用できるモルトカス粉末の開発を行いました。粉末化したモルトカスは、パンやクッキーなどの小麦製品の一部代替原料として用いることができ、これにより現代人に不足しがちな食物繊維の摂取も可能となることがわかりました。
今後は、クラフトビールとともに、このモルトカスを用いた商品(サンドイッチやハンバーガー)の飲食店での提供を行い、クッキーやポテトチップスについては静岡市オリジナルのご当地土産として商品展開をしていきます。