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地域課題に係る産学共同研究委託事業

令和7年度 進捗状況 有限会社カネナカ商店

基礎コース

たたみいわし及びアカモクを用いた、筋萎縮抑制作用を有する新商品の開発

[委託先団体] 有限会社カネナカ商店
[連携大学] 東海大学海洋学部 准教授 清水宗茂
[連携団体] 清水漁協用宗支所青壮年部、清水漁協用宗支所

目的

加齢に伴い筋量や筋力・筋機能が低下するサルコペニアは、50代以上の人達に共通する課題です。そのため、サルコペニアの予防、すなわち「筋萎縮の抑制」が期待できる食品へのニーズは高い状況にあります。

本研究では、「たたみいわし」と「アカモク」を一緒に摂取することで、単独で摂取する場合と比較して、筋萎縮抑制に対して有効であるかを動物実験により明らかにすることで、サルコペニアの予防を目指した食品開発を目指します。

進捗状況

たたみいわし及びアカモクを用いて、それぞれを乾燥後、粉末化することで、「たたみいわし粉末」および「アカモク粉末」を作製しました(写真1,2)。

その後、栄養成分分析を行った結果、「たたみいわし粉末」はタンパク質および灰分を豊富に有すること、「アカモク粉末」は脂質および炭水化物を豊富に含有することが明らかとなりました(表)。

[写真1:たたみいわし粉末] 

[写真2:アカモク粉末] 

[表:栄養成分分析の結果]

100g
あたり
たたみ
イワシ
粉末
アカモク
粉末
水分2.3g8.5g
タンパク質83.3g18.4g
脂質10.5g4.1g
灰分10.8g12.3g
炭水化物-56.7g
カロリー426kcal338kcal

現在、東海大学動物実験委員会での承認を得た後、基本精製飼料(AIN-93M)に、それぞれの素材を添加した食餌を作製し、ラットが自発的に、どれくらい食餌を摂取するかを評価する「摂餌性の実験」を行っています。今のところ摂餌量にバラツキはなく、順調に進捗しています。

今後の予定

年内に「摂餌性の実験」を終了し、本実験における給餌条件を明らかにする予定です。1月以降、諸手続きを終えた後、「筋萎縮抑制作用の検証実験」を実施いたします。すなわち、「たたみいわし粉末」「アカモク粉末」さらにそれらの共摂取が、筋萎縮抑制に対してどの程度有用であるのかを検証することで、新商品の開発に向けた方向性を明らかにする予定です。